可愛くいれなきゃ意味がない

メンヘラオタク備忘録

私とかつきくん

時は2016年10月末まで遡る。当時就活中だった私は、サロン見学という名の軽い面接をしにサロンへと向かった。

当時、秋にしてはとても寒くてちょっと厚着で向かった私はサロンの中に入り後悔した。暖房ガンガンだー。暑いなーと思いつつそしてオーナーの話を聞いてから、帰り際に他従業員とも話をする機会が。そこで初めて出会った彼氏ことかつきくん。

見た目がマッシュな時点であ〜この雰囲気好きとは思ってたのだが、「暑くないの?」とにやり。直感で好きだと感じた。会話してみると私好みの若干気怠げなクール系で更に好印象。こういう一線を引いてくる男が好き!!!!!と内心興奮していた。髪型服装共に好みで話した雰囲気もSUKI!!と結構がっつりロックオンしていた。これは彼氏には死ぬまで秘密だけど。

しかしここでアラフォーなことを知る。見た目がやたら若い彼、30前半だと思ってたら既に40へのカウントダウンが進んでいた。ここで年の差を考え、いやないわなと一度冷静になった。

よく考えても見て欲しい。父親の方が歳が近い男と付き合うのだいぶ複雑じゃないか?むりむり。

この時は呑気にもそう思っていた。


就職しても、彼とはそこまで仲良くなかった。よくしてくれる先輩がおり、その人に指導を受けていた。

が、ある日転機が訪れる。当時私より半年ほど先輩だった能天気お花畑天然ビッチとモメて、仲裁に入ってくれたのが彼氏と他の先輩だった。

他の先輩がお花畑女をなだめ、彼氏が私をなだめた。怒り心頭だった私を、彼氏がステーキを食べに連れて行ってくれた。(夜9時半)

優しく話を聞いてくれ、私を肯定してくれ、私は閉店間際のステーキ屋さんでまさかの大号泣した。(迷惑)今思えばほんとうに迷惑だと思うし実際あとから俺泣かせたみたいですごい気まずかったと言われた。だよねー!

彼氏の優しさに触れた私は封印したはずのときめきが戻ってくるのと同時に、この人のことを人としての憧れだと感じた。恥ずかしい話、神様に見えていた。何を隠そうメンヘラ、神格化を始めたのだ。この人の言うことは絶対、この人が一番正しい、この人が私を導いてくれる。勘違いも甚だしい。かつきくんはただの人間だ。しかし頭の弱い私は、彼を心の中で崇め奉り、信仰していた。アイドルかよ。

美容師として憧れを抱き、この人のようになりたいと感じた私は人生で一番の努力を重ねた。生まれて初めてレベルで頑張った。その甲斐あって先輩だったお花畑女のレベルをサクッと超えた。

頑張るたびに彼は付き合ってくれ、夜の居残り練習も付き合ってくれ、ほんとうに優しすぎてメロメロだった。この時は恋愛的な感情も少しあったがまだ神格化の方が強かった。



いつ頃からか、彼と深夜デートをするようになった。夜ごはんを食べに行き、深夜にファミレスに呼び出し話をしたり。そのうち、私は彼といるだけでまんこが大洪水を起こすようになっていた。デニムの股に染みる粘り気のある謎の液体――愛液だ。

私はついに、恋愛的な意味で好きになっていたのだ。

濡れないことに定評のあった己のまんこの大洪水具合に一瞬病気を疑うが、彼に常にトキめいており身に覚えがあり過ぎる膣キュンが多かったため、生理でもないのに私は毎日おりもの用の薄いものではなくごついナプキンをつけてそれをまん汁でビッチャビチャにしていた。

好きを確信する前、私は軽い気持ちで彼に県外デートの約束を持ちかけていた。普通は彼女といくようなスポットだが、行ったことない同士いってみたいという話になり、食という共通の趣味が合致しデートすることになっていた。まんこ大洪水で一日中デート?やばくない?実際やばかったわけだが。

デートの一週間前、私が彼が好きな某ブランドのTシャツを買ったと自慢のラインを送ると彼も速攻オンラインでポチっていた。そしてなんと、ペアルックでデートに挑むことになった。なんだってー?!この日ペアルックな!と言ってきた彼氏、鬼かと思った。言われた瞬間めっちゃ濡れた。

かくして常にまんこ大洪水女は、好きピとペアルックで県外デートをしたのだが……。

足湯中、「お前足ちいさいな」「え?なんだかんだ23.5はありますよ」「おれ28〜」(ここで足の上に足を乗せられる)(絡む足)(大洪水注意報発令)と謎の絡みを見せられたり、自撮りしてってお願いされてふたりでSNOWをして「やば、おれらそっくりじゃね?目元似すぎ」「た、たしかに(膣キュンすぎて震えてる)」「運命かな〜笑」「(イクかとおもった)」という罪深い発言に踊らされた。

そして帰宅途中、最大のイベントが訪れた。


おっぱい事変。


付き合う最初の一歩だと思う。おっぱい星人な彼は、この頃普通に仲が良く冗談で貧乳をいじって来たりしていた。胸がないない言われた私は、「ちゃんとありますよ!触って確かめますか?」と冗談交じりで発言。すると「じゃあ触ってみようかな」………え?まじか???????

こうして私は上司とペアルックで県外デートした帰りに乳を揉まれた。


それから何度か乳揉みイベを経由し(当然毎回大洪水だった)、私たちは曖昧な関係だった。

たぶんしようと思えばセックスは出来る。でも、上司だ。そして私はちんこが入りづらいというクソまんこだった。悩んだ。でも、既にセフレになってでも彼の隣にいたいと思うようになっていた。取り返しがつかないほどに好きになっていた。

だから私は覚悟を決めた。

レイトで映画を見たその日の夜、乳を触り後ろから抱きしめてきた彼に向かって「私は先輩の何ですか?」と問いかけた。いまのままの生ぬるい関係が好きだった。でも先を求めてしまった。どうしてもこの人とセックスがしたかった。

彼女になれなくてもよかった。

彼はそれ聞く?と言いづらそうにしていた。「正直に言うとゆりなのことは好きだよ。でも俺はあんまりこの気持ちをはっきりさせたくなかった」迷惑なんだろうなとおもった。彼にとってはちょっと遊んだだけの新入社員。ヤろうと思えばヤれたのにいままでセックスしなかったのは、そこまでの魅力がなかったからなんだろうか。泣きそうになった。

「仕事とか色々あるし気まずくなりたくなかった。でももういいや、俺ら付き合おう?」

奇跡とはこういうことを言うんだとおもった。

憧れでずっと手の届かないと思っていた星のような人に手が届いた。たぶんこの人生の中で私史上最大の幸運であり、神様がくれた最高の奇跡なんだと今でも思う。

セフレでよかった。都合のいい女でよかった。

だけど、私はこの日からかつきくんの彼女になれた。